28 お線香

カンパンさんにもらったお線香に火をつける
赤く火がつくと煙がすっとのぼっていく
燃えたあと灰が落ちるとき、少しだけ音がした

好きなのを持っておいきっていうから、ひのきのお線香をもらってきた
帰るとき折れないよう、紙に包んで10本持たせてくれた
木のいいにおいがする
海月神社の奥のほうのにおいに似ている

お天気の日に今度、棒パンと海月神社に散歩に行こう
神さまに、太鼓が上手になりたいですってお願いするんだ
練習はがんばっています、この気持ちを続けられますよう
ついでにおみくじをひこう
コップさんみたいに、いいこと書いてあるのがひけるかもね

お線香はゆっくり小さくなっていって、お皿の線香たてのところで静かに消えた
においもいいけど、燃えていくのにかかる時間もいいんだよってカンパンさんがいっていた

火をつけると何か思いだすだろう
そのあと、こんなことがしたい、あれもやってみたいって思いついて、いくつか願いごとをする
それから、普通のことがすてきに思えてきて、まわりの、スプーンとかクツとか、使ってる机とかいろんなものが、たぶん光って見える

その通りなんだよ、驚いた