36 試食サブレ

ことちゃんのビニールシートのとなりはジャムクラブだ。茶色の低いテーブルを2つつなげて、みんなの自信作をならべる
しーちゃんちから借りてきた赤白のビーチパラソルが影を作る
いろんな色といろんな大きさのビンがそろってきれいだ。店番は、順を決めて2人ずつすることにした

朝、トマトちゃんがサブレをくれた
早起きして焼いたのよ。試食用で、ひとつジャムをあけて、サブレにのせてだしたらどうかと思ったんだ。よさそうでしょう?きっと売れるわよ
トマトちゃんはもともと焼き菓子屋さんだから、作るお菓子はどれもほんとにすごくおいしい
クッキーとかサブレ、スコーン、マフィン、定番はたくさんあるけど、ぼくの一番好きなのはココア味のビスコッティだ

どうして毎年、焼き菓子屋さんをお休みしてジューススタンドをするのってきいた
トマトちゃんはにこにこして、ほとんど思いつきっていう
お店は好きなの
で、お店で売るものは、自分が好きなものだったらまあなんでもいいかなと思って
好きなものって好きだからさ、上手に作れるようにだんだんなるでしょう、そしたらおいしいって喜んでもらえて、また嬉しいし楽しいし、それってすごくいい繰り返しよね

サブレは4つに割ってパインジャムをつけて、ご試食どうぞってお皿に並べた
ツバメさんたちが最初に飛んできて、わあ、おいしそうだなって大きな声でいった