47 干しぶどう

雲が暗くなって、風が吹き始めた
夕立がくるぞってコーヒーゼリーさんがいそいでいる。雷の音が遠くできこえてきて、さらに早足になった
実は雷が苦手らしい

ぼくも家にもどって洗濯ものを取り込む。一緒に、干していたぶどうも入れる
ぶどうは干して3日たった。紫色だったかわいい粒は、茶色でしわしわになってきた

くつ下を干すまるい洗濯ハンガーにデラウェアをさげたんだ
1枝10粒ぐらいを糸で結んで長くして、縦に5つ6つつなげてハンガーの洗濯ばさみにつけた
風が吹くと、みんな少しずつ揺れる
ざるに広げるよりなんだか楽しそうなのよって、まりくちゃんが教えてくれた
できあがったら散歩に持っていこう

このごろは暑いから、夕方遅くか夜、棒パンと海まで行く
月が大きくなるときは、空は白く光って明るい
夜の海は、昼より波の音が大きくきこえる
ざーん  ざーん
ざーん  ざーん
繰り返す波の音を数えて、歌をうたったり(上を向いて歩こう)、砂浜にひっくりかえったりするんだ。砂はまだ昼の暑さを覚えていて、すごく気持ちがいい

43 レース模様

ことちゃんの、みんなで作る大きな絵は、どんどん違うものになっていった
色が加わり描く人がかわると、大きな紙のそれぞれの絵がつながっていく
にゃん一郎くんのみどり色の虫は、最初はそこにとまっているようだった。次に見たら、葉っぱみたいなボートに乗っていて、その次見たときには仲間(黄色やオレンジや茶色の虫たち)と旅にでていた

となりのとなりでビワをならべていたまりくちゃんが、ことちゃんと話している
ビワは、ならべて早々に売れた
じゃあっていって、今度はビワを盛っていたカゴに値段をつけたら、そのカゴも次々売れた
今日は商売繁盛の日なんだわってまりくちゃん。なにか、もっと持ってきてもよかったかも。まあ、そんなに欲ばることもないか
まりくちゃんは、水筒から冷たい麦茶を注いで、ことちゃんにはいどうぞって渡した
絵もいい感じになってきてるね、すごいな
みんなで描くのって、思ってたより楽しいんですね
そうよね、自分一人じゃ考えつかないほうにたいてい進んでいくしね、不思議だけど

まりくちゃんは茶色のペンをとって、わたしも描きたいのがあるっていった
このごろレース編みしてるの。細い、銀色のかぎ針で編むのよ、その模様を描いてみる
まりくちゃんは、編みものするように紙に模様を描いた
模様は少しずつ長くなり、小さなまるやしかくや長しかくや、葉っぱや花や花びらを抱えて大きくなって、ことちゃんの前に広がっていった

37 ビワの種

ジャムクラブのとなりには、まりくちゃんがカゴにビワを盛って座る
まりくちゃんはコップさんのガールフレンドで、みかん山に住んでいる
みかん山には、みかんの木はもちろんたくさんあって、ぽんかんやゆずやレモンの木もあるんだって。今は大きなビワの木に、ビワがなっている

このかご、自分で編んで作ったの、ちょっといびつだけどまあまあかなって教えてくれた
カゴは丁度10コならんでいた
これはコップくんからもらったバック。けっこう便利
まりくちゃんは赤が好きなんだ

まりくちゃんは、その赤い肩かけバックから折りたたんだ帽子をだしてかぶった
いいお天気になってよかったねっていって、おひとつどうぞってビワをくれた。皮をむいて口に入れると、少しだけ甘くておいしくて、びっくりした
まりくちゃんは笑って、思ったよりいい味でしょうっていう
茶色の大きな種が左手に3つ集まった

おまつりがおわったらビワの種を埋めてみよう
ひとつはうちのベランダ用で、もうひとつは棒パンちの庭に埋めよう
3つめは鉢に入れて、芽がでたらコップさんにあげよう