25 チームソーイング

届いたミシンは、写真で見たよりだんぜんかっこいいマシンだった
箱から出して並べて置く
トマトちゃんがおーっていった
コップさんは感動して、正面から見たりうしろから見たりしている
ツバメさんたちは低く飛びながらきゅっきゅっっていってる

これはすごい、
コップさんは、嬉しいけど半分緊張した顔つきでいう
ミシンは安定感十分、スピード調整無段階
足元のコントローラーつきで両手が自由に使える
さらにすごいのは、これがロックミシンにもなるという

直線縫いやジグザグ縫いができる普通のミシンなんだけど、レバーを引いてまわすと、反対側はロックミシンになるんだって
詳しくないからよくわからないけど、これは相当な機能らしい
(トマトちゃん曰く、1台2役っていうか、2台のミシンがひとつになってるのよ)

コップさんは名前を考えてきたといって、カバンから折りたたんだ紙を取り出した

チームソーイング

ぼくの工房の名前だよ
トマトちゃんがにこにこしている
なんだかそのままだけど、コップさんぽいかも

やがてこの裁縫工房は、とてもいい仕立てをすると評判になる
特に、楽器を入れるケースやバッグ、マーチングで使うフラッグや衣装は、たくさんの団体から注文が入るようになるんだ
その始まりはこんなふうだった

チームソーイング、夏至の日までビーチパラソルの下で作業中 

16 ミシンかけ

ジューススタンドのうしろに、ビーチパラソルが開いた
コップさんがしーちゃんちの倉庫からひとつ借りてきた
ビーチパラソルまだたくさんあるから、もっといるときはいってねって
しーちゃんちには日傘だけじゃなくて、大きな傘もいっぱいあるんだ

コップさんはジューススタンドの氷係の手があくと
その赤青白のビーチパラソルの下でミシンかけをしている
ベーグルさんからフラッグの注文をうけたんだ
スタンド用のパイナップルのフラッグがよくできていて、ベーグルさんはこれだと思ったそうだ
こんなフラッグが長いことほしかったらしい

ベーグルさんは街のマーチングのチームに入っていて
フラッグをまわしたりおどったりするカラーガードをしている
ガードの仲間に、コップさんが作ったフラッグの話をしたら
みんな使ってみたいといいだした
まわしたときの、ざっっ ざっっ て風をきる音がすごくいい
軽いしね、色もきれいだし

コップさんはかたかたかたかたミシンかけしている
ちょっと進んではとまり、まち針をずらしてまた縫い進む
ジューススタンドの波の音にまじって、コップさんのお裁縫の音が流れる

印刷して読む 印刷して読む 

8 ビーチパラソルの下で

角食しーちゃんが新しい曲を練習しはじめた
日差しが強くなってきたから
倉庫からビーチパラソルをだしたんだって
首にタオルをまいて
一生懸命 音をつないでいる
ビーチパラソルの影が黒く小さくなる
クラリネットがうたっているみたいに響く

この曲すごいのよってしーちゃんが教えてくれた
コーヒーゼリーさんの歌なんだって

僕の彼女はすてきな女の子
色白でつぶらな瞳
忘れられない
だから僕はある日勇気をだして
彼女にいったのさ
アイラブユー
夢はかなって僕らは結ばれて
2人で仲良くいつも
歌をうったてるわけさ
僕の彼女の名は生クリーム

今度の音楽会でみんなにきかせてくれるらしい
コーヒーゼリーさんの喜ぶ姿が目にうかぶ
おまもりのスプンがきらきらするだろう
歌詞を覚えて、一緒にうたってみようかな

印刷して読む 印刷して読む